ノンフレーム工法ってどんな工法?
これまでのがけ崩れ対策は、斜面をコンクリートの構造物で覆い固めるものでした。
これに対して、斜面に生育する樹木を伐採せず、施工後も元々の景観や環境が保全できるという画期的ながけ崩れ対策技術、それがノンフレーム工法です。
下の写真は、実際にノンフレーム工法(左)と従来工法(右)を施工したもの。違いは明らかです。
地中約2〜3mの深さにある安定な地盤まで鋼棒(ロックボルト)を打ち込み、地表面には鉄板(支圧板)を取り付けて、崩れやすい土を押さえ込みます。 これを2m間隔で斜面全体に設置し、さらにワイヤロープで全体を連結して、斜面を守ります。斜面の樹木を伐採しないで施工できるように、部材や施工方法が開発されていますので、施工後も元々の景観や自然環境が維持できるのです。
こんなところに、ノンフレーム工法
ノンフレーム工法は、身近なところでも、人知れず斜面を守っています。
その実績は全47都道府県、北は知床、南は与那国島にまで及びます。
本当に、がけ崩れを防げるの?
自然斜面では、樹木の根系が森林土壌を保持して、がけ崩れを防いでいます。 しかしその効果は、根系が発達している比較的浅い深度に限られます(下左図)。
そこで、樹木のがけ崩れ防止機能を活かしつつ、それを補完するがけ崩れ防止技術として開発されたのが、ノンフレーム工法です。
本工法では、十分な強度を持つ鋼棒を地中の安定な地盤まで打ち込み、その地表面側には支圧板を取り付けて、崩れやすい土を押さえ込みます。さらに支圧板どうしをワイヤロープで連結して形成される“人工的な根っこのネットワーク構造”で、斜面を守ります(下右図)。
下写真のように、施工後に隣接する斜面が崩れたものの、ノンフレーム工法施工範囲は無事であった事例を始め、豪雨や地震から斜面を守った事例も数多く確認されています。
ecoな工法として、大臣賞W受賞!
メディアでも多数取り上げられている、注目の技術です。
コンクリートを大量に使用する従来工法に対して、ノンフレーム工法ならばCO2排出量を60〜70%も抑制することができます。また、大幅な省資源化も図れ、持続可能な社会の実現に貢献します。
また、下写真のようにノンフレーム工法を施工した斜面では、施工後も自然環境が保全され、斜面に生息する小動物の生息環境も守られています。
これらの環境負荷低減効果が高く評価され、
【経済産業大臣賞】 |
【国土交通大臣賞】 |
の大臣賞ダブル受賞という快挙を成し遂げました。
さらに、
TBS系列 「夢の扉+」
テレビ東京系列「カンブリア宮殿」
を始め、各種メディアでも取り上げられている、注目の技術です。